2013年3月23日

56年続く日本定食屋さん@Boyle Heights

いつも読んでいるブロガーさんが紹介しているのを見て、気になっていた日本食屋さん、お冨さんへ行ってきました。

場所は、ロサンゼルスダウンタウンから車で東へ10分程のBoyle Heights。

ここは、ダウンタウンの繁栄と共に1800年代後半から、通勤に便利な住宅街として開発されたエリアで、ダウンタウンに並ぶ古い街です。第二次世界大戦後にダウンタウンの治安の悪化とともに廃退したものの、最近では電車の駅ができたりと、再開発されています。

さて、お冨さんに到着すると、日本語の手書き風の看板と赤提灯。
ここがロサンゼルスであることを忘れてしまいそうになりました。
中に入ると、ビョーキーがボソっと「わ、高円寺にいるみたい」と。たしかに、ビョーキーとよく行っていた東京・高円寺の定食屋にワープしたかのようでした。
平日の8時、満席でした。
店内はカウンターに5席、4人がけのボックス席が3つの小じんまりとしたお店。
入り口を入ってすぐの隅に、待ち合い用の椅子や雑誌が用意されていたので、満席になることが結構あるのかも。

それにしても、店内の隅々まで、日本。
とっても明るくて楽しいおかみさんにこのお店の歴史を尋ねると、このお店は56年続いていて、彼女は3代目だそう。
1代目の方は、20年間お店に立ち、
2代目の方は、28年間、
そして、3代目の彼女は、今お店を継いで8年目だとか。
歴代のおかみさんに血のつながりはなく、ロサンゼルス在住の日本人同士がお友達を紹介し合い、続いてきたのだそう。かなり治安が悪くなった時期もあるこのエリアで、日本人女性が代々続けてきたお店なのだと知りました。

話は逸れますが、(ロサンゼルスに住んでる方はご存知のことなのですが)ロサンゼルスの郊外に、ここ20年ほどで日本人にとって住みやすい街の集まるサウスベイというエリアがあります。そこには、日系スーパー、日系の学校、本格的な日本食、日本人が欲しいと思う物は何でもあり、アメリカにいながらも日本人が快適に暮らせるバリアが張られているようなところです。そういった地域で日本食屋さんをしている方達と、ロサンゼルスダウンタウンの端で、50年以上日本食レストランを守ってきた方達とは、全く違う想いがあると思います。お冨さんへ行った日から、ロサンゼルスの中で異なるエリアに住む日本人が持つそれぞれの想いについて考えています。

さて、お冨さんレポート。
私達は、冷や奴と、定食を注文。
ビョーキーはすき焼き定食。
すき焼き風煮込みといった感じで、すき焼きとは違いましたが、家庭で出てきそうなお野菜たっぷりのお鍋にホッとしました。写真だとお肉が少なく見えるけど、お野菜の下に結構しっかり埋もれていました。

私は焼き塩サバ定食。サバにサラダが付いてくるところはやっぱりアメリカならではだけど、お母さんの手料理のような安心する味。
気さくなおかみさんと日本語でお話していると、ここが何処なのか分からなくなります。1時間ほどしかお店にいなかったのに、とても長い間どこか遠くへ行っていたような、温かい体験をしました。また是非行って、お店の歴史、ロサンゼルスの変遷についてお話を聞きたいです。

そしてこの日は、初めて米ドルでお給料を頂いた日で、アメリカに来てから初めて、自分で稼いだお金でご飯を食べた記念日でもありました。

Otomisan Restaurant
2506 E. 1st Street,
Los Angeles, CA90033

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2 件のコメント:

  1. 初お給料おめでとう〜。
    さっき、私のとこのコメントでも書いたけど、三代も血の繋がりがなく引き継がれてるなんてスゴイですね。絶やさずこれからもずっと続いて欲しいなぁ。

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    1. ありがとうございます〜!初めて日本円以外を稼ぎましたー。こちらへ来てから、旦那のお金でご飯を食べるということに、うまく馴染めなかったので、自分で働いたお金が少しでもあるのは嬉しいです。
      かおりさんの紹介するところ、いつも行きたくなるんですけど、特にお冨さんへは行ってよかったです。血の繋がりでなくてもお店が引き継がれたのは、異文化の中で暮らす日本人同士の連帯感みたいな、そういった心のつながりがあったのかなー。

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