2013年5月28日

宮崎県・延岡の郷土玩具”のぼりざる” 日本滞在記3

母の親友を訪ねて宮崎県・延岡市へ行ってきました。

50歳を過ぎて始めた田舎暮らしにもだいぶ慣れた母は、苦手だった車の運転も今ではお手の物。大分から延岡までの長距離を難なく運転していました。

この日会いに行ったのは、母の学生時代からのお友達の橋倉由美さん。彼女とそのご両親は江戸時代から延岡に伝わる郷土玩具”のぼりざる”の歴史を語る上で外せない方々。ご両親は長い間その存在を忘れられていた”のぼりざる”をもう一度世に広めるため、1949年から製作を始め、”のぼりざる”の歴史に息を吹き込んだ方々なのです。

その活動が認められ、お母様は1984年に宮崎県伝統工芸士に認定されました。また、2001年には”のぼりざる”製作技術保持者として「延岡市無形文化財」にも指定されたそう。
現在は亡くなったご両親の想いを継いで、由美さんが”のぼりざる”の製作をしています。

さて、”のぼりざる”ってどんなものでしょう?

張り子のお猿さんが菖蒲の描かれた幟に下げられ、風が吹くとカタカタと音を立てながら竿を登って行く見て楽しい郷土玩具。延岡では端午の節句に兜と一緒に飾られるそう。
卓上用のようの小さなものから、
庭先に置く大きなものまで。
 風を受けて竿を登って行く様子がユーモラスで可愛らしいのです。
現在、延岡でのぼりざるの製作をしている人は、由美さんただ一人。
最近ではご自身が繋いで来た多くの人の想いを、子ども達や地域の方々などより多くの人に知ってもらう機会を作ることにも力を注がれています。

本当にエネルギッシュなこの方のお仕事はこれだけでなく、ステンドグラス作家でもあります。”のぼりざる”製作所に併設したアトリエでは、ステンドグラス教室も開催されています。そのアトリエもまた素敵。ご自身が育った家にご主人と二人で漆喰を縫ったり、ガラス埋め込んで改装したそう。
自分のテイストを存分に取り入れながらも、日本家屋の良さを活かした空間作りには、家とそこにある想い出への愛情を感じました。

由美さんのすべてを楽しもうとする前向きなエネルギーに刺激されたのか、「私も早く仕事に戻らなきゃ」という気持ちになりました。今の自分にとって必要なことを取捨選択する力、そして今後の自分にもつながっていく軸を意識して仕事をしようと改めて確認することができた日でした。

陽のエネルギーに触れると、陽の心が持てます。

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2013年5月21日

大分・小鹿田焼き窯元へ 日本滞在記 その2

ビョーキーと友達夫婦がまだ大分に滞在していたときに、日田市にある小鹿田焼き(おんたやき)の窯元へ行ってきました。
最近の民芸ブームに乗って日本でも人気のある小鹿田焼きは、VeniceのTortoise General Storeを始めとしたロサンゼルスの雑貨屋さんでも目にすることが増えました。ただ、焼き物ですから元の値段もそれなり、それが日本からの輸入品となるとなかなか手が出ない値段だったのです。

窯元へ行って小鹿田焼きのお皿を買ってきたいな〜とフランス在住の友達(彼女のブログ)に話すと、一時帰国の際に行って来たよと色々と教えてくれたので、早速行ってみることに。
日田の市内から17キロほど車を走らせ、緑に囲まれた窯元が集まる集落へ。
川の音、風に揺れる樹木の音以外は聞こえてこないほどひっそりとしたこの場所には、ザッ..ザッ..と谷川の水力で土を細かく砕く唐臼の音が響きます。300年以上その技法を守ってきたこの町の人々の想いを表すかのようなしっかりとした音でした。
窯元は全部で10軒。隣接しているのでそのすべてを歩いて見て回れ、職人さんの手仕事、江戸中期に開窯された登り釜を間近で見せていただけます。

窯元によって少しずつ模様や制作しているものが違うので、すべての窯元を見た後で好みの窯元に戻ってじっくり選ぶことをお勧めします。
平成7年に国の重要無形文化財に指定された小鹿田焼きの制作活動や作業場を、窯元の方々の心遣いによって見ることができるわけですから、私達も尊敬の気持ちを込めてじっくりと時間をかけて見せていただきました。
百貨店や雑貨屋さんでは食器しか目にすることがありませんでしたが、調味料入れ、植木鉢、花瓶、お香立てなどもありました。最近植物に凝っているビョーキーはもれなく植木鉢を購入。
私達が購入したのはこちら。
写真撮影をしながら気がつけば、購入したのは小鹿田焼きの代表的な技法、表面にカンナで傷をつけて模様をつくる「飛びかんな」のものばかり..。刷毛で模様をつける「刷け目」など色々な模様があったのに。

それでも、ずーっと気になっていた場所にこれて、職人さんの手仕事を見て、息づかいをを感じながら選んできた焼き物には特別な想いがあります。

あとは、無事にロサンゼルスまで持って帰るのみ...!

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2013年5月20日

日本滞在記 その1

4/29にロスを出発してから早くも22日。残り11日の日本滞在です。

日本滞在1週目は、ビョーキーとアメリカから一緒に来た友達夫婦と東京観光。
久しぶりのお友達とピクニックや食事をしたり、買い物をしたりと忙しく一週間が過ぎました。
ビョーキーの新作ステッカーは、渋谷のスクランブル交差点を始め東京のあらゆるところに貼ってきたようです。
日本滞在2週目は、同じメンバーで両親の住む大分県へ。東京での歩き疲れを癒してくれる大自然を満喫しました。
父の実家近くの名所、大分県のナイアガラの別名を持つ原尻の滝や、あちこちにある名物温泉、小鹿田焼の窯元のほか、熊本城や阿蘇など熊本にも足を伸ばしました。
大分の温泉名所、別府温泉では温泉吸入を体験。風邪ぎみで喉が痛かったビョーキーは、これで痛みがなくなったとか。(そんなに即効性あるのかな...?)
大分土産には名産の竹を使ったものをと、父の実家に生えている竹を使い、青竹踏みや花瓶を作りました。真面目なビョーキーは、父から道具の使い方や作り方の指導を受けると、それはもう真剣に唇をとがらせながら奮闘。
滞在3週目、ビョーキーはお手製の青竹踏みを背負い、一足先にロスへ帰国。
私は残りの休暇を大分でゆっくりと過ごしています。今日からぼちぼちと今回の旅行記を書いていこうと思います。

それにしても1ヶ月もの贅沢な休暇を取ることができた今の環境に感謝するばかりです。

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